日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
救急・集中治療病棟薬剤師による治療効果向上を目指した薬剤適正使用に対する介入事例調査
吉川 博佐藤 智人檜山 洋子福島 隆宏佐伯 康之畝井 浩子松尾 裕彰
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2020 年 23 巻 5 号 p. 691-695

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抄録

救急・集中治療領域の患者は重症度が高く,過少投与や必要薬剤の不使用など,薬物治療効果が適正に得られない状態は不利益となる可能性がある。そのため薬物治療効果を最大限に得るための適正使用(以下,適正使用)は重要である。本調査は2016年1月〜2017年12月にICU,高度救命救急センター,HCUでの薬剤師による適正使用介入事例を調査した。 対象期間での適正使用介入事例は227件。薬剤の種別として抗微生物薬が117件(51%),抗凝固薬23件(10%),消化器系薬14件(6%),循環器系薬11件(5%)であった。介入の種類として投与量の増量が105件(46%),薬剤追加が59件(26%),投与方法変更が30件(13%),薬剤変更が20 件(9%)であった。薬剤師は適正使用において,とくに抗微生物薬の増量,排便・血糖コントロールやDVT などの予防薬剤の追加について貢献していると考えられた。

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