日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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調査・報告
集中治療室せん妄患者に対するゾテピンの効果と安全性
―パイロット研究―
吉廣 尚大櫻谷 正明高場 章宏河村 夏生筒井 徹加藤 之紀吉田 研一橋本 佳浩
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2021 年 24 巻 1 号 p. 39-46

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抄録

背景:ゾテピン(以下,ZTN)は糖尿病に使用できるが,集中治療室(以下,ICU)せん妄に使用した報告はない。目的:ICUせん妄患者にZTNとクエチアピン(以下,QUE)を比較し効果と安全性を評価すること。方法:単施設前向きコホート試験で,初回投与翌日せん妄症状改善と最大血糖値180mg/dL以上の患者割合を評価した。結果:20例を組み入れ, 11例をZTN群に割り付けた。ZTN群の9例が糖尿病であった。初回投与翌日せん妄症状改善の患者割合はZTN群で54.5%(n=6),QUE群で66.7%(n=6)であった(p=0.67)。内服後最大血糖値180mg/dL以上の患者割合は63.6%(n=7),66.7%(n=6)であった(p=1.00)。 結論:ZTNは有害事象を増やさずにQUEと同程度にせん妄症状を管理できることが示唆された。

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© 2021 日本臨床救急医学会
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