日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救急救命士の静脈路確保成否因子に関する検討
中村 秀明阪本 奈美子染谷 泰子矢島 務刈間 理介鈴木 宏昌
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2021 年 24 巻 3 号 p. 331-338

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抄録

救急救命士が実施する静脈路確保(peripheral intravenous cannulation;PIVC)の成否因子を検討した。方法:BANDO-MC において2018年8月1日〜2019年2月28日に記録されたPIVC 381症例を対象とした。結果:傷病者の年齢(OR 0.97,95%CI 0.958-0.994;p<0.05)の増加とともにPIVC成功率の低下を認めた。静脈の太さ(OR 1.34,95%CI 1.142- 1.591;p<0.001)と静脈の視認性(OR 1.22,95%CI 1.051-1.425;p<0.001)はPIVC の成功に寄与していた。考察:静脈の形状がPIVCの成否に影響しており, それらを改善することはPIVCの成功率の上昇に寄与する可能性が示唆された。

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© 2021 日本臨床救急医学会
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