2021 年 24 巻 3 号 p. 372-381
目的:救急看護認定看護師がとらえた外傷看護実践における看護師の役割を明らかにする。方法:救急看護認定看護師5名を対象にフォーカスグループインタビューを行い,質的記述的に分析した。結果:【外傷初期診療における患者の救命と安寧を考慮した意図的介入】【患者の安全と安楽を意図した二次的合併症予防へのケア計画と実施】【急性期から長期的視点で見据えた患者の機能障害受容と社会復帰に向けた資源の活用】【診療中に並行して行う家族の対処能力の見極めと代理意思決定支援】【期をとらえた家族への受容促進のかかわり】【患者・家族の意向とシームレスな診療の進行を考慮した医療者間の調整】の6カテゴリーが抽出された。結論:外傷看護実践における看護師の役割は「直接ケア」と「調整」の2つの特徴が見出され,外傷看護に特化した実践役割に加えて社会復帰を見据えた調整役割が求められていた。