目的:救急医がJapan Maternal Emergency Life-Savingベーシックコースにインストラクターとして参加して得たものを質的に分析し,探索的にモデルを構築することである。方法:コース参加5回以上の救急科専門医9名に半構造化面接を行った。逐語録を作成し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析してモデルを作成した。結果:8つの概念を抽出し,「コース内で得られるもの」,「コース外の影響」,「産科救急への認識」の3つのカテゴリーを作成した。これらの関係から,2つの自己強化型ループからなるモデルを構築した。結論:コースに参加することでコース内で得られる知識や技術を獲得し,産科との連携や地域をみる視点などコース外への影響が増し,母体救命への当事者意識が上がり産科医療の壁も低くなり産科救急への認識が増し,さらなるコース参加につながる可能性が示唆された。