日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
第16回世界女子ソフトボール選手権大会における救急体制と救護活動の取り組み
―長期間にわたる暑熱環境下での救護対応の実際―
清水 伸子山本 利春笠原 政志守屋 拓朗
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2021 年 24 巻 3 号 p. 409-414

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抄録

第16回世界女子ソフトボール選手権大会において,アスレティックトレーナー(AT)が現場を指揮する救護トレーナーとして救護活動を行った。医師との連携のもと,長期間にわたる暑熱環境下での国際大会にて競技会場内の救護活動を実施した取り組み内容を報告する。 事前準備として,緊急時対応計画(EAP)の作成,人員や資器材の確保,各関係諸機関との連携,暑熱環境対策を,医師による監修を受けながら遂行した。救護活動は,夏季11日間,全4会場,総計73試合の球場内で行い,選手・観客の救急対応を担当した。対応事例として,選手では捻挫・打撲・挫創などの外傷に対する処置が多く,選手・観客ともに熱中症疑いなどの内科的疾患の発生もみられた。医師不在の現場では,医師の指導のもと,EAPにのっとって救護トレーナーがコマンダーとなり対応することで,一定の役割を果たすことができる可能性がある。

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