2022 年 25 巻 1 号 p. 53-56
目的:外傷全身CTで,撮影時の上肢位置がDose Length Product(以下,DLPと略す)の値に与える影響を自験例で後方視的調査を行った。方法:2018年10月〜2020年10月の間に,外傷全身CTを行った体重50〜70kgの患者325症例を対象とした。上肢位置を両上肢挙上,片上肢挙上,両上肢下垂でそれぞれのDLPの中央値と平均値を比較した。結果:DLPの値は両上肢挙上,片上肢挙上,両上肢下垂の順に大きくなり,上肢挙上の有無で,DLPの中央値に約25%差が生じた。結論:外傷全身CTにおいて,上肢挙上の有無で場合分けを行うことで,診断参考レベルDiagnostic Reference Level(以下,DRLと略す)の最適化に寄与できることが示唆された。