日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
二次爆傷による脳脱を伴う頭部外傷の経過良好例
菅谷 一樹長井 健一郎黒見 洋介武藤 憲哉全田 吏栄大久保 怜子塚田 泰彦藤井 正純小野寺 誠伊関 憲
著者情報
キーワード: 脳脱, 頭部外傷, 爆傷
ジャーナル フリー

2022 年 25 巻 4 号 p. 711-716

詳細
抄録

脳実質が頭蓋内から頭蓋外に脱出する脳脱は,致死的なことが多い。今回,神経学的後遺症をほぼ残さず軽快した脳脱を伴う爆傷の1症例を経験したので報告する。症例は34歳の男性で,水道管の修理作業中に爆発し,飛散したバールが前額部に当たり救急要請された。 来院時は前額部に開放骨折を伴う挫創と逸脱した脳実質を認め,意識レベルはE1V3M6(GCS)であった。頭部以外に合併外傷はなく,前頭骨開放骨折,両側前頭葉脳挫傷,右急性硬膜外血腫の診断で,緊急開頭血腫除去術を施行した。術中に右前額部から右眼窩上部にかけての硬膜損傷を認めた。従命に問題がなかったことから第2病日に抜管した。第19病日にはE4V4M6(GCS)まで改善し,リハビリテーション目的に転院した。神経学的後遺症をほぼ残さずに軽快した要因として,二次爆傷の限局した頭部単独外傷であったことが考えられた。

著者関連情報
© 2022 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top