日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
亜急性甲状腺炎との鑑別が困難であった急性化膿性甲状腺炎の1例
廣田 哲也喜多 亮介大橋 直紹端野 琢哉
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2022 年 25 巻 4 号 p. 745-750

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抄録

症例は31歳男性。5日前より左前頸部痛を認めて倦怠感も増悪したため,内科外来を受診した。初診時にCRP 17.3mg/dL,FT4 2.57ng/dL,TSH 0.03μU/mL,甲状腺超音波検査で疼痛部に一致した低エコー域を認めて亜急性甲状腺炎と診断した。入院後にPSL 20mg/日を1週間投与して頸部痛は改善したため,PSL 10mg/日に減量して退院となったが,その2週間後より病状は悪化して再入院となった。甲状腺超音波検査で左葉に多房性の低エコー域を認め,前頸部に皮膚切開を行って白色の膿汁を回収したため,ペンローズドレーンを留置し,創洗浄と抗菌療法によって再入院より19日後に軽快退院した。退院26日後に咽頭食道造影を行い,下咽頭梨状窩瘻による急性化膿性甲状腺炎と診断した後,瘻孔閉鎖を目的に転院となった。『亜急性甲状腺炎(急性期)の診断ガイドライン(日本甲状腺学会)』の診断基準を満たしても薬物療法に対する治療抵抗性を示す症例では,急性化膿性甲状腺炎の可能性に留意する必要がある。

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© 2022 日本臨床救急医学会
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