日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
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原著
Virtual Realityを活用した遠隔シミュレーション実習の教育効果
―知識の評価に関する検討―
原田 諭須賀 涼太郎鈴木 健介北野 信之介坂田 健吾藤本 賢司中澤 真弓小川 理郎横田 裕行
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2022 年 25 巻 5 号 p. 797-805

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抄録

新型コロナウイルス感染症拡大により対面による実習は中止となった。新たな教育手法としてVR動画を活用した遠隔シミュレーション実習を実施した。目的:VR動画を活用した遠隔実習と,従来実施していた実技を伴う対面実習における知識の教育効果を比較検討した。方法:2020年度シミュレーション履修者4年生82名(VRあり)を対象にVRゴーグルを使用して10想定の動画を視聴させ,救急救命士国家試験と同等の筆記試験を実施した。比較対象は,2019年度シミュレーション履修者4年生68名(VRなし)とした。結果:A問題はVRなし群が有意に高かった。D問題はVRあり群が有意に高かった。一般問題はVRなし群が有意に高かったが,状況設定問題はVRあり群が有意に高かった。結論:一般のシミュレーション実習は,A問題でみる一般医学的知識の向上に有用であり,VR動画を活用した実習は,一般のシミュレーション実習より状況設定問題の知識向上に有用であった。

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© 2022 日本臨床救急医学会
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