2022 年 25 巻 5 号 p. 860-864
大動脈解離を伴わない単独の上腸間膜動脈(superior mesenteric artery,以下SMAと略す)解離は孤立性SMA解離と呼ばれ,比較的まれな疾患であるが画像診断の進歩により近年報告数は増加傾向である。しかし,診断や治療について確立されたものはない。症例は44歳,男性。突然の腹痛を発症し救急搬送された。腹部造影CTで孤立性SMA解離と盲腸壁在のガス像を認め,腸管壊死の存在が疑われた。孤立性SMA解離に対する血行再建として緊急ステント留置術を行い,その後審査腹腔鏡でICG蛍光法を用いて腸管壊死がないことを確認し,腸管切除を回避した。術後経過は良好であり,孤立性SMA解離に対するステント留置術と審査腹腔鏡およびICG蛍光法の併用は低侵襲であり有用と考えられた。