2023 年 26 巻 4 号 p. 528-531
今回,アテゾリズマブ投与中の2型糖尿病患者が1型糖尿病を発症し,糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis,以下DKA)で救急搬送された症例を経験した。主治医は当初,2型糖尿病の悪化に伴うDKAと考えていたが,薬剤師が投薬歴を確認したところ,アテゾリズマブ5コース終了後に発症したDKAであることが判明し,なおかつDKA発症前の1日総インリン量が5単位以上増加したことから,アテゾリズマブによる1型糖尿病の発症が考えられたため,薬学的介入(1型糖尿病および他の内分泌関連副作用のスクリーニング検査および糖尿病内分泌内科への受診提案)を行った。その結果,糖尿病内分泌内科との連携により,速やかにDKAは改善し,血糖値は安定したことから,アテゾリズマブ誘発DKAの早期発見および重症化回避につながったものと考える。