日本臨床救急医学会雑誌
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原著
Osborn J waveは偶発性低体温症の重症度と関連しない
横山 龍人富田 源堀江 紗希齋藤 聡子渡邉 翠高田 壮潔坂口 健人髙橋 一則小林 忠宏中根 正樹
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2024 年 27 巻 1 号 p. 34-39

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抄録

目的:深部体温が35℃未満に低下した状態である偶発性低体温症(accidental hypothermia,以下AHと略す)ではしばしば心電図でOsborn J wave(以下OWと略す)を認める。本研究はOW の有無とAH の重症度との関連を明らかにすることを目的とした。方法:2013年5月24日〜2022年3月31日までにAHと診断され当院救急科に入院となった72例すべての症例を対象とし,後方視的に検討した。重症度評価には5Aスコア(年齢,ADL,アルブミン値,pH,“ほぼ心停止”)およびSOFAスコアを用いた。結果:OW陽性21例とOW陰性51例の比較では,5Aスコアは“ほぼ心停止”のみ有意差を認めた(p=0.046)。SOFAスコアは有意差を認めず(p=0.695),臓器別に検討すると循環のみ有意差を認めた(p=0.011)。結論:OWの有無はAH患者の重症度に関連するとはいえなかった。

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