日本臨床救急医学会雑誌
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原著
救命救急センター病棟の聴診器の汚染度
―その聴診器本当にきれい?―
小野内 汐美大山 清実広安永 天音星野 凪沙大橋 一孝鈴木 光子大山 亜紗美小野寺 誠伊関 憲
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2024 年 27 巻 2 号 p. 75-79

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抄録

目的:聴診器の汚染度を,ルミテスターを用いてATP拭き取り法で測定した。聴診器の汚染度を測定し,その後酒精綿で拭って効果があるかを検討した。方法:救命救急センター病棟で用いている看護師の聴診器を無作為に抽出し,ルミテスターを用いて聴診器の膜型面の汚染度を調べた。酒精綿を用いて10秒間拭き,5分乾かした後に測定した。また,膜型面の細菌培養検査を行った。結果:54個の聴診器について調査を行った。拭き取り前の汚染度は1,895.5 RLU であり,拭き取り後379.5 RLU であった。拭き取り後は前に比べて有意に減少していた。細菌培養検査では常在菌を検出した。考察:病棟で使用されている聴診器は細菌による汚染があった。酒精綿で10秒間拭き取ることにより84%の減少効果があったが,完全には除菌されてはいなかった。結論:聴診器の使用後と使用前に酒精綿などで拭き取りを行う必要がある。

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