目的:COVID-19流行後の自殺企図者の特徴を明らかにする。方法:2018年1月〜2019年12月をCOVID-19流行前,2020年1月〜2021年12月をCOVID-19流行後として,当院高度救命救急センターに搬送された自殺企図者を2群に分け,背景因子・精神科診断・転帰について比較した。また,流行後に自殺既遂者が増加している女性・若年者に限定して調査した。結果:COVID-19流行後の自殺企図者において,性別が女性である,精神科診断が気分障害である割合が増加していた。女性の自殺企図者においては,同居者がいる割合が低下していた。考察:COVID-19流行後の自殺企図者は,流行後の自殺既遂者の特徴や感染拡大防止策による環境の変化を反映した特徴が認められた。これらの特徴に着目しながら自殺未遂者に対するケアを実践していく必要がある。