目的:救命講習において,心肺停止現場を再現した,より実践的な教育を実現するための教材を作成する。また,作成した教材を救命講習で使用し,講習受講後の救助意欲の変化を明らかにする。方法:実践的な教育を行うためのAR教材を作成し,救命講習で作成した教材を用いた実証研究を行い,アンケート調査によりその有用性について検討した。結果:胸骨圧迫を行うことで脳への循環還流を視覚的に確認することができるアプリケーション,胸骨圧迫の質をフィードバックする機能も搭載した。さらに,より実践的な教育を実現するため,実際の心肺停止傷病者に発生し得る身体所見を再現したアニメーション作成も行った。講習受講後に行ったアンケート調査から,本研究で作成したAR教材を用いた蘇生現場を意識した実践的な教育は,救命講習受講後,とくに3カ月後の救助意欲維持に対して効果がある可能性があるのではないかと考える。