2025 年 28 巻 4 号 p. 620-627
背景と目的:COVID-19感染拡大により救急救命士養成大学における救急車同乗実習 は,その実施が大変困難となった。そこで,本学が代替として実施した救急車を走行させた学内臨地実習の教育的側面を学生の自己評価から検討した。方法:2020年度,本学3年生61名に実習後アンケートを実施した。主要33項目で因子分析を行い,下位尺度間相関を検討した。結果:「実践的な観察・処置の理解」「学習意欲」「学生相互の理解」の3因子(全分散説明率 53.1%)を抽出した。各因子下位尺度得点間に有意な正の相関を認めた(r=0.48~0.67,p<0.01)。考察・結語:本学内臨地実習は,学生の自己評価上,実践的理解,学習意欲,相互理解で肯定的にとらえられ,これらが相互に関連し体験を通じた学習が促された可能性が示唆された。本研究は特定の状況下での実践であり,同乗実習が制限されるなかでの教育機会の確保に貢献し得た一つの教育方法として,今後のシミュレーション教育開発において有用なものになると考える。