2025 年 28 巻 4 号 p. 648-654
本研究は,インフォームドコンセント(IC)に必要とされる病態説明能力の向上を目的として開発されたカードゲーム型教材“Fカード”の教育的有用性と受容性を探索的に検討したものである。滋賀県の救急救命士46名を対象にFカードを用いた研修を実施し,終了後に質問紙調査を行った。ファンスコアは91.3%が“楽しめた”と回答し,教育的有効性については97.8%が肯定的評価を示した。自由記述からは,説明力や理解力,知識の整理に関する効果が示唆された。本教材は,主体的な学習を促進し,IC取得に必要な能力育成に資する可能性があり,今後さらなる効果検証が求められる。