2025 年 28 巻 4 号 p. 669-676
令和4年度に「重症患者初期支援充実加算」が新設され,患者や家族と医療者の対話を促し,適切な意思決定を支援する「入院時重症患者対応メディエーター」の配置が全国的に広がっている。本稿では,東京都渋谷区にある急性期総合病院を例に,多職種からなるメディエーターチームの活動報告を行った。2023年4月1日~2024年3月31日に介入した重症患者は60名であった。患者の年齢は0~89歳と幅広く,平均年齢は55歳であった。主な原疾患は脳疾患(35.0%),感染症(18.3%),心疾患(15.0%)などで,63.3%が死亡退院となった。主な支援内容は,病状理解の促進が26.7%,治療方針の代理意思決定が50.0%,臓器提供意思確認が5.0%,家族の悲嘆ケアが18.3%であった。全症例のうち約7割で入室後72時間以内の介入が達成できたが,広範なニーズに迅速に対応するためには多職種連携の強化が必要であり,介入の有効性を実証する研究が今後の課題である。