日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
調査・報告
初期労作性熱中症における急速悪化症例の臨床的特徴:意識変調,頻脈および血清クレアチニン値上昇との関連
井上 聡子宮家 麻希子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 28 巻 4 号 p. 677-684

詳細
抄録

初期労作性熱中症(EHI)の急速悪化症例について臨床的特徴を調査した。2012年4月~2024年9月に初期EHIで治療した兵庫県警察学校入校生2,619例について,急速悪化群(D群,16例)と回復群(R群,2,603例)の診療記録を調べた。R群に比しD群では,受診時に意識の変調が有意に高頻度,脈拍が有意に速く(130[116-143]bpm vs 141[130-152]bpm,p=0.033),血清クレアチニン値(Cr)が高い傾向,血清Cr高値症例が高頻度(26.0% vs 55.6%,p=0.058)にみられた。D群中,血清Cr非高値症例群に比し高値症例群は脈拍が有意に速かった(125[114-132]bpm vs 150[145-167]bpm,p=0.032)。以上より,EHIの急速悪化例は,意識の変調,頻脈,血清Cr値上昇と関連している可能性が示唆された。

著者関連情報
© 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top