日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
サルコペニア患者がイコサペント酸エチル製剤を継続しカルニチン欠乏症・脂肪肝に至った1例
高見澤 誠宮村 保吉鈴木 さやか箕輪 勇紀市川 裕平篠原 徹岡田 邦彦田中 啓司
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2025 年 28 巻 4 号 p. 713-718

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抄録

80歳台,男性,BMI 21.7kg/m2。約25年前の頸髄損傷のため,要介護5でサルコペニア状態であった。3カ月前の胆囊摘出術後から食事量は低下したが,約7年来の脂質異常症に対するイコサペント酸エチル(ethyl icosapentate,以下EPAと略す)製剤の服用を継続していた。今回尿路感染症による敗血症性ショックのため入院したが,胆囊摘出術直前と比較して入院時のCT画像で新規の脂肪肝がみられた。また入院時の血中遊離カルニチン値が低値でありカルニチン欠乏症と診断された。EPA製剤を中止,レボカルニチンを投与すると,第21病日のCT画像では脂肪肝は改善し,食事摂取も安定した。サルコペニア患者が,食事によるカルニチン摂取不足に加えて,EPA製剤のβ酸化によるカルニチンの消費によってカルニチン欠乏症と脂肪肝に至ったと考えられた。比較的安全性が高いEPA製剤だが,患者の全身状態を評価し,投与可否の判断が重要である。

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