2026 年 29 巻 1 号 p. 23-27
院外心停止の救命率向上にはAEDの早期使用が不可欠である。昨今のBLS教育により学生のAED使用方法の理解は向上しているが,設置場所の認知度は低い。従来AED使用に関する教育効果はKirkpatrickのevaluation modelのレベル2(Learning)の評価にとどまり,レベル3(Behavior)の変容の評価・検討は発展途上である。本研究では,総合大学における医療系を含む全学部生を対象とした教養科目で実施したAED使用に関する教育の効果として,設置場所の認知度向上とBehaviorの変容を評価・検討した。教育方略として,講義・小グループ討議・フィールドワークを組み合わせた複合型教育モデルを選択した。AED設置場所の認識向上の有無(二者択一)と行動変容(自由記載)を3週間後にオンラインで調査した。74名が回答し,69名がAED設置場所に対する意識向上を回答した。自由記載の分析ではレベル2到達が21名,レベル3到達が9名であった。複合型教育モデルでの教育は,大学生のAED設置場所に対する認知度向上と行動変容をもたらす可能性がある。