目的:本邦における救急車内消毒の現状は不明であるため,その実態を明らかにすることを目的とした。方法:全消防本部を対象としたアンケート調査を実施した。①消毒の施行機会,②紫外線照射,消毒薬の噴霧およびオゾンガスによる広範囲を一律に消毒する装置の運用,③独自消毒マニュアル策定等についての照会をした。結果:有効回答率は54.4%であった。紫外線消毒,噴霧消毒,オゾンガス消毒装置の採用率は,それぞれ2.9%,6.3%,85.0%であった。消毒時間,湿度設定等で不適切な運用をしている本部があるほか,消毒中の車内は人体に有害な環境であるにもかかわらず,出動可能状態で消毒しており,出動時に,隊員が有害環境に進入して装置を停止する危険行為も判明した。考察・結語:広範囲を一律に消毒すると,不確実なうえに作業員に健康被害のおそれがあると指摘されている。このことを勘案して救急車内消毒のあり方について再検討が必要である。