2026 年 29 巻 1 号 p. 64-69
有機溶剤中毒により意識消失し,全身にエポキシ樹脂を浴びて搬送された2例を経験した。消防隊の乾的・水的除染は効果がなく,剝離剤であるシンナーやアセトンは二次災害のリスクもあって使用できなかった。2例とも時間経過により樹脂が乾燥した後,用手的に樹脂の剝離が可能となり,皮膚障害もみられなかった。1例では軽度の角膜障害や嗅覚障害を認めたが,いずれも後遺症なく回復した。これら2例に共通したことは,エポキシ樹脂は乾燥後に用手的に剝離できることであり,臨床現場に有用な知見である。