日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
当院救急外来における難治性心室細動に対するDSED(double sequential external defibrillation)の検討
橋本 拓人上野 浩一
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2026 年 29 巻 2 号 p. 136-141

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抄録

複数回の電気ショックに抵抗性の心室細動を難治性心室細動(rVF)と呼ぶ。二重連続電気ショック(DSED)は,2台の除細動器を用いて連続的に電気ショックを行う手法である。2022年にカナダの病院前医療で実施されたランダム化比較試験では,rVFに対するDSEDが標準的な電気ショックより高い除細動成功率,生存率,良好な神経学的転帰を示したと報告されている。一方,救急外来でのrVFに対するDSEDの有効性を検証した報告は稀少である。当院では2024年2月より,救急外来に来院したrVFに対してDSEDを実施している。9例中,除細動成功は7例,自己心拍再開は4例,生存退院は2例であったが,いずれも神経学的転帰は不良であった。DSEDは現時点で確立された治療法として位置づけられていないものの,先行研究および本研究の結果から,rVFに対する早期の除細動成功に寄与し得る可能性が示唆された。rVF と判断した段階でDSEDを考慮し,安全に実施できるよう,運用プロトコールの整備およびシミュレーション訓練が必要である。

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