日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
処置時の鎮静における低酸素血症予測因子としての徐呼吸および低換気の有用性の評価
本間 洋輔茂野 綾美高瀬 啓至乗井 達守
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キーワード: PSA, ER, 合併症
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2026 年 29 巻 2 号 p. 146-152

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抄録

背景:救急外来における処置時の鎮静・鎮痛(PSA)では低酸素血症を伴うことがある。カプノグラフィーは低換気を検出できるが,臨床現場で低換気や徐呼吸が続発する低酸素血症をどの程度信頼性をもって予測できるかは不明である。本研究では,低酸素血症に先行して発生する低換気および徐呼吸の頻度と発生から低酸素血症までの時間差を明らかにすることを目的とした。方法:2021年7月から10月にかけて2つの救急外来で実施した前向き観察研究である。1秒ごとの生理学的モニタリングデータを抽出し,低酸素血症および先行する低換気と徐呼吸の発生と時間差を計測した。結果:対象は患者13人で年齢中央値62歳,使用された鎮静薬はプロポフォール5例,ミダゾラム4例,チオペンタール4例であった。低酸素血症は6例(46.2%)に認められ,全例で先行して徐呼吸を認め,時間差の中央値は93秒であった。低換気は低酸素血症のうち1人(7.7%)のみで先行して観察された。結論:PSAのモニタリングにおいて,呼気終末二酸化炭素分圧より呼吸数に重点を置くことで救急外来における低酸素血症が早期発見でき,患者安全の向上につながると考えられる。

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