日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
急性薬物中毒シミュレーション教育後の薬学生の省察に関する質的内容分析
齊藤 将之市原 利彦中島 義仁
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2026 年 29 巻 4 号 p. 807-815

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抄録

目的:急性薬物中毒を題材とした救急医療の講義およびシミュレーション教育に参加した薬学生が得た学びと,認識した課題を明らかにする。方法:実務実習前の薬学部4年生119名(2024年度56名,2025年度63名)から,週次の自由記述レポートを回収した(回収率100%)。週次レポートは1週間の学び全体を記述する課題であったため,急性薬物中毒を題材とした講義・シミュレーション教育に関する分析可能な記述を含むレポートを,質的記述的内容分析の対象とした。結果:119件のレポートのうち,急性薬物中毒セッションに関する分析可能な記述を含む68件(2024年度33件,2025年度35件)を解析対象とした。4つのカテゴリが抽出された。(1)講義と演習での学び:初期対応における情報収集と優先順位づけの重要性,および救急医療における薬剤師の役割の理解。(2)救急医療に対する関心と認識の変化:不確実な状況下における治療方針の決定に対する気づきと関心の高まり。(3)困難と感じた点:緊急度判断の難しさ。(4)今後の学修課題と要望:救急現場の見学,および患者情報の整理と状況評価,そして治療方針の決定に至る思考過程を学ぶ必要性。結論:シミュレータを用いた急性中毒教育後の自由記述レポートの質的分析により,情報収集および優先順位づけを含む初期対応に関する学びと,薬剤師の役割認識,緊急度判断の困難,および今後の学修ニーズが示された。これらの知見は,実務実習前の救急医療教育を検討するうえで参考となる。

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