2026 年 29 巻 4 号 p. 827-831
目的:小中高生による過量服薬の背景を調査し,今後の対策を検討する。方法:当センターに搬送された小中高生39例を対象に,年齢,性別,精神科受診歴,希死念慮の有無,家庭・学校環境などの患者背景に加え,摂取した医薬品や摂取理由などについて調査した。結果:女性や高校生が多数を占め,精神科受診歴を有する患者69%,自殺企図例8例を含む希死念慮を有していた患者は51%,家庭・学校環境に問題のある患者67%であった。摂取薬剤のうち一般用医薬品が77%を占め,摂取理由は「明確な理由なし」が44%ともっとも多かった。結論:小中高生による過量服薬に関して,精神的および社会的要因が複雑に関与していることが示唆された。今後の対策として,学校での薬物乱用防止教室の充実や,児童・生徒が気軽に相談できる体制の整備が求められる。また医療機関・教育機関・行政の連携を強化し,多職種による情報共有と支援体制を構築することが重要であり,薬剤師も一翼を担うべきである。