日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
たこつぼ様の左室壁運動異常を呈した急性左心不全の1症例
菊池 学河野 通長尾 建矢崎 誠治内山 隆久林 成之上松瀬 勝男
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2000 年 3 巻 4 号 p. 428-432

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抄録

狭心症の精査を受けていた「たこつぼ型」左室壁運動異常を呈した急性左心不全の1症例を経験した。症例は64歳女性。電話中に興奮し,前胸部不快感を主訴に外来を受診した。両側胸部の湿性ラ音と心電図ST上昇,心臓超音波検査で全周性の壁運動異常を認め,緊急心臓カテーテル検査の左室造影で収縮期にたこつぼ様を呈した。冠動脈造影では有意狭窄を認めず,冠攣縮も誘発されなかった。翌日,多誘導で陰性T波が出現し,心筋シンチグラムはMIBGでびまん性,BMIPPでTIClと解離した陰影欠損が認められた。慢性期には壁運動の改善と陰性T波の消失を認めたが,冠血流予備能は低下していた。本症例の左室壁運動異常は,虚血による気絶心筋と考えられた。虚血の原因として,交感神経緊張による酸素需要の増大と冠動脈微小循環不全による供給の低下が示唆された。

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© 2000 日本臨床救急医学会
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