2001 年 4 巻 1 号 p. 8-11
目的:くも膜下出血における初期治療は,降圧,鎮静を基本とした再破裂予防が強調されてきた。今回われわれはプレホスピタルケアを含めた,くも膜下出血の初期治療の現状を検討すると同時に,現在の特定行為制度における問題点を検討したので報告する。対象:1993年より1999年までに当救命救急センターで扱った200例のくも膜下出血である。男性72例,女性128例で,年齢は24より91歳で平均57.6歳であった。結果:再破裂を来したと思われた症例はCPAを除いた170例中17例であったが,逆に救急車による直入患者148例のうち15例は来院前に意識レベルの改善をみた。CPA心拍再開30例中,6例はCT上軽度のくも膜下出血であり,3例に心疾患の既往をもっていた。結語:くも膜下出血発症後意識レベルの悪い症例では再破裂も高いことより,来院前の安易な処置は再破裂を誘発する可能性があり,くも膜下出血が疑われる患者の取り扱いには注意を要するものと思われた。