2001 年 4 巻 3 号 p. 296-302
浜松救急医学研究会では,平成11年4月より平成12年3月までの1年間,静岡県西部地区でドクターヘリの運用を行った。1年間で207回の出動を行い,そのうち145回(145例)が現場への直接出動であった。145例の内訳は内因性疾患が103例(71.0%),外因性疾患が42例(29.0%)で,予後は外来死亡21例,入院後死亡20例で死亡率は28.3%であつた。生存例では,ドクターの現場出動によって救命し得たものや,後遺障害の軽減など医学的に有効と思われる症例が1/3以上を占めていた。ドクターヘリは地域の救急医療システムの向上と救命のためには欠かせないものであることを確認した。