日本臨床救急医学会雑誌
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臨床経験
救急初療時における院外専門医への携帯画像伝送システムの構築
朴 啓彰東平 日出夫坂下 恵治横田 順―朗
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2001 年 4 巻 3 号 p. 292-295

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抄録

救急初療時における救急外来担当医と院外専門医間の携帯画像伝送(PTDI)システムを構築した。PTDIシステムは,1)CT画像を直接デジタルカメラで撮影,2)Eメールの添付画像として送信,3)携帯電話あるいはPHSに接続したPDAで受信の3つのステップから成り立っている。デジタルカメラ撮影からEメールの添付画像として送信するまで平均1分12秒であった。PHSよる画像受信に平均22秒,携帯電話を用いた場合には平均1分35秒を要した。非移動時における画像伝送成功率は100%であり,電車などの高速移動時における画像伝送成功率は16/20(80%)であった。伝送した頭部CTスキャン像と元画像を比較すると,頭蓋内病変の診断能は同等であった。PTDIシステムは簡便かつ廉価な院外専門医への緊急画像伝送システムであり,所用時間と伝送画像の画質から判断して,救急初療時の画像診断と治療方針を決定するうえで有用であると考えられる。

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© 2001 日本臨床救急医学会
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