2001 年 4 巻 5 号 p. 472-477
呼吸不全による意識障害を主訴に救急搬送され,その後の精査により運動ニューロン疾患であることが判明した症例を最近8年間に5症例経験した。このような発症形態はまれとはいえず,換気不全主体の呼吸不全患者を診察する際には,運動ニューロン疾患を鑑別疾患の一つとして念頭におかねばならないと考えられた。典型的症状を呈さない運動ニューロン疾患を正しく診断することは時に難しい。正しく診断するための端緒としては,現病歴の詳細な聴取と特徴的な他覚所見の把握が重要と思われた。