2001 年 4 巻 5 号 p. 497-500
外傷性脾損傷の経過中に脾内仮性動脈瘤を形成し,自然閉塞した症例を経験したので報告する。症例は33歳,男性。交通事故により受傷し,脾損傷(日本外傷学会脾損傷分類Ⅲa型)と左血気胸の診断にて保存的に治療を行った。受傷11日目に再検した造影腹部CTで仮性脾動脈瘤を疑い,脾動脈造影により確定診断したが,TAEを保留し経過観察した。受傷21日目の造影CTで仮性動脈瘤は 低吸収域を呈し,自然閉塞を確認した。仮性牌動脈瘤は遅発性牌破裂の発生機序として注目されているが,自然経過は知られていない。今回,経過中に血栓化して自然閉塞する可能性も示唆された。このため症例によっては,自然閉塞を待機的に観察することも検討する余地があると思われる。