日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
心肺機能停止例に対する開業医の心肺蘇生とその認識
阪本 敏久齋藤 大蔵金子 直之岡本 健高須 朗岡田 芳明
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2002 年 5 巻 4 号 p. 452-457

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抄録

心肺蘇生(CPR)の市民啓発・教育が重要であることは論を待たないが,既往歴を有する心肺機能停止(CPA)症例が多いことより,日常診察する開業医の役割も重要である。そこで開業医のCPAに対する意識調査を行った。方法:1)他院の医師が関与し当院へ搬送されたCPAを後視的に検討した。2)周辺の医師会々員のうち無床の開業医478人に郵送による調査を施行した。結果:1)前医療機関内でのCPA15例中3例でCPRが施行されなかった。2)有効回答数は179で,CPAに関する基本的質問をしたが,全4問正答者は39人(21.8%)であった。自分の医療機関でのCPA経験者は59人(33.0%)に上った。CPRにある程度自信があると回答したのは157人(87.7%)あったが,知らない医師が11.2%あり,今後CPAに遭遇してもCPRをせずに救急車を要請するとしたのが16人(8.9%)あった。結語:一般市民だけでなく,開業医にもCPRの教育は必要と考えられた。

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© 2002 日本臨床救急医学会
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