2004 年 7 巻 1 号 p. 50-54
東京消防庁では長期間の病院内委託研修生として,1年間にわたり救急救命士を各大学附属病院へ派遣している(以下,院内救急救命士と略す)。日本大学医学部附属板橋病院救命救急センターでは,医師と院内救急救命士が共同し,①医学生に対するbasic life support(以下BLSと略す)の指導,②患者家族を対象とした院内BLSの指導支援,③救急救命士と医師との共同研究を行ってきた。これまで救急救命士と医師とは所属する機関の違いから,相互理解や信頼関係を築き上げることが困難であった。しかし院内救急救命士の派遣により,その実績を院内の多くの医師から認められ,医療機関においてさまざまな活動を生み出してきた。院内救急救命士は,医療・医育機関において医師と共同した教育・研究を行うとともに,医療職として幅広い視野をもつ救急救命士の人材育成にも役立つこととなった。