日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
静脈穿破を来した破裂性腹部大動脈瘤の3例
本田 賢太朗山本 修司岡村 吉隆川崎 貞男篠崎 正博
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2004 年 7 巻 1 号 p. 45-49

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抄録

腹部大動脈−総腸骨動脈領域における破裂性動脈瘤の静脈穿破による動静脈瘻の3例を経験し,1例を救命したので報告する。症例1は心筋梗塞の診断で経皮的冠動脈形成術を施行したが,循環動態が改善せず,のちの検討で総腸骨動静脈瘻と診断した。その後,手術に至ることなく死亡した。症例2は当院搬送後,ただちに腹部大動脈−下大静脈瘻と診断したが,手術を行う前に死亡した。症例3は当院搬送前に心停止となり,血液ガス,CTから腹部大動脈−下大静脈瘻と診断し,同日緊急手術を行い救命した。診断までに時間を要した1例,術前状態が不良であった1例が死亡し,手術が成功した1例は一時的な蘇生後脳症は来したものの,後遺症なく回復した。本疾患では,可及的早期に手術を行うことが予後に影響するため,迅速な診断が肝要である。

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© 2004 日本臨床救急医学会
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