日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
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原著
カーボンシルク®️の熱傷創治癒に関する検討
橋本 みづほ森田 孝子植田 秀穂
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2006 年 9 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

絹素材を低温焼成させたカーボンシルク®️(CS)を用いて熱傷創における治癒効果を検討した。マウス背部皮膚にⅢ度熱傷を作成し,周囲の浮腫を含んだ創面積の経時的計測および,3日後の熱傷創の組織学的検討を行った。CSを塗布した群(CS(+)群)は塗布しない群(CS(−)群) に比べ,創面積の縮小が有意に認められた。また,皮膚全層に占める皮下組織の割合を正常皮膚と比較したところ,CS(−)群は有意に大きかったが,CS(+)群では有意差を認めなかった。さらに,CS(−)群の皮下組織は浮腫を示唆する組織学的所見として,組織間隙や血管・リンパ管が明瞭に確認できたが,CS(+)群では認められなかった。以上の結果から,CSは浮腫をきたす病態の改善に有効であり,創傷治癒を促進する可能性が示唆された。

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© 2006 日本臨床救急医学会
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