日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
消防学校救急科におけるJPTECTMプロバイダーコースの実践
関根 和弘松本 尚中澤 厚元血脇 敏行平山 芳照
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2006 年 9 巻 1 号 p. 24-32

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抄録

Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care(以下,JPTECTM)を効果的に普及させるためには,現役救急隊員を対象に各地のメディカルコントロール協議会が主体となってプロバイダーコースを開催するとともに,各消防学校の救急科においてコースを開催することで,現役救急隊員と新人救急隊員への両面からの普及をすることが効果的である。千葉県消防学校では,同プログラムを消防学校の特徴にするために改変し,これまでに3期にわたって救急科学生全員にJPTECTMプロバイダーコースを実施した。第1回コース55名(75%),第2回91名(100%),第3回69名(100%)で合計215名がプロバイダーに認定された。消防学校におけるJPTECTM講習では受講生数が70名以上となり,通常のJPTECTMプロバイダーコースと比べ指導者にとっての負担が大きい。今回のコースプログラムは,小隊ごとに実技ステーションを実施することで指導者の負担を軽減し,従来の履修科目を圧迫することなく必要最低限の指導者数で,消防学校でのプロバイダーコース開催が可能となるように考案された点が特徴である。また,県内指導員の指導法の統一や,各消防本部によるJPTECTMの認知など副次的な効果もみられた。

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© 2006 日本臨床救急医学会
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