2006 年 9 巻 4 号 p. 337-342
メディカルコントロールが始まり,救急救命士は2年間で128時間の病院再研修をすることとなった。多数の救急救命士に病院研修を提供するには,従来のプログラムでは問題が生じるため,担当医師が病院関係者(医師・ナース),消防機関および救急救命士から検討項目(研修時間,研修場所,人的資源,研修内容)について意見を聴取し,新たなプログラムを作成した。救急救命士の救急車乗車業務を配慮した, 4当直での診療参加型研修となった。放射線科医の協力を得て,腹部CT読影に関する画像診断研修も加わった。プログラム実施後,担当医師が意見を聴取し,病院研修担当者会議も開催し,関係者にフィードバックした。病院研修の目標が共有できないなど,問題点も出現しているが,お互いを理解しながらプログラムを改良することとなった。病院研修を前向きにとらえ,救急救命士の資質向上に寄与し,プレホスピタルケアを含む地域の救急医療が向上できればと考えている。