日本臨床救急医学会雑誌
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特集・救急隊員教育
救急救命士の再教育の現状
松園 幸雅松田 潔岩瀬 史明宮田 美穂宮崎 善史菊池 広子松本 学
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2006 年 9 巻 4 号 p. 332-336

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抄録

目的:救急救命士の再教育における病院実習の現状を調査し,現在の問題点,今後の展望について考察した。対象:山梨県立中央病院救命救急センターで病院実習を行った救急救命士のベ160人。方法:実習実績表をもとに,実習実績(経験症例),処置・検査の基本的手技の体験などを集計し,分析した。結果:外傷症例(58.9%)を中心に急病症例,心肺停止症例,急性中毒症例などを経験している。採血などの検体検査や画像診断を含んだ各種緊急検査(40.4%)や静脈路確保などの緊急処置(40.8%)を多く実施・経験している。緊急処置としては,静脈路確保や器具による気道確保についてはかなりの件数が実施経験されているが,一方では,電気的除細動の実施や,緊急カテコラミン投与の介助・見学は少なかった。結論:病院実習で経験される症例・基本的手技には,実際の救急活動との間に偏りが見られ,受け入れ医療機関はその実習内容を考慮したプログラムを構築すべきである。

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© 2006 日本臨床救急医学会
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