日本臨床救急医学会雑誌
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特集:第8回総会/ワークショップ・パネルディスカッションから
長野県飯田下伊那MC協議会による救急隊員の応急処置に関する検証結果の検討
宮澤 徳生神頭 定彦有賀 達広吉川 節雄小林 澄雄
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2006 年 9 巻 5 号 p. 381-390

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抄録

長野県飯田下伊那(以下,飯伊と略す)の年間10万人あたりの病院外心停止(以下,OHCAと略す)例は94.4例と比較4都市と比べ多かった(p<0.05)が,心原性目撃あり例の心拍再開率は27.5%,入院率は12.5%,生存退院率は2.5%で諸都市と遜色ないものの十分ではなかった。全OHCA 252例を平成15年半年間の87例を前期,平成16年の165例を後期とすると,前期に比し後期では口頭指導実施率が増加し(p<0.05),気道確保と静脈路確保の特定行為も増加していた(p<0.01)。検証医による要確認率は傷病者観察,緊急重症度判断で増加傾向にあり,救急指導員による要確認率は,協調性・迅速性(p<0.01),他隊との連携(p<0.05)では増加し,これは検証医,救急指導員の質が向上したためと思われた。検証医による要改善率は応急処置の内容・方法で減少し(p<0.01),救急隊員の質が向上したと考えられた。飯伊メデイカルコントロールによる事後検証は,救急隊の質の向上に効果的であると思われた。

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© 2006 日本臨床救急医学会
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