平成16年4月からの1年間の岸和田市消防本部における全救急搬送患者8,997例を対象とし,救急隊員による予測転帰(帰宅・入院)と搬送後転帰(帰宅・入院)の整合性,年齢階級,疾患分類(内因性・外因性)の関連性について調査した。予測の妥当性の評価については,救急隊員が帰宅と評価したが実際には入院となった症例を過小評価,入院と評価したが帰宅となった症例を過大評価,その他を適正評価とした。過小評価率は年齢階級別にみると,高齢者10.9%,成人4.1%,小児3.0%であり,高齢者で高かった。疾患分類別にみると,内因性7.6%,外因性3.7%であり,内因性で高かった。高齢者の内因性疾患では予測が比較的困難であることが示唆された。
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