目的:閉塞性動脈硬化症の急性増悪例の治療成績を塞栓症と比較した。対象:閉塞性動脈硬化症急性増悪10例と,下肢動脈の塞栓症8例が対象となった。結果:閉塞性動脈硬化症急性増悪例では,一次的下腿切断例を除き,残りの9例では発症から平均74.3時間後にバイパス手術を施行した。全例とも救肢に成功し,重篤な合併症や周術期死亡は認められなかった。下肢動脈塞栓症例では発症から平均6.6時間で,全例とも血栓除去術を行ったが,2例で肢の切断を要した。膝上切断の症例では急性腎不全を合併したが生存退院した。周術期の再塞栓(脳梗塞)は2例に発生し,う ち1例が死亡した。結論:下肢閉塞性動脈硬化症急性増悪例は,発症から比較的時間が経過している症例でも,救肢が可能となることがある。塞栓症では救肢に成功しても他臓器を含めた再塞栓を発生しやすく注意が必要である。