抄録
本研究では,教職科目において自己生成型の利用価値介入を取り入れた授業実践を行ない,その効果を量・質の両側面から検証することを目的とした.教職科目「教育と社会・制度」において,①有効性の認知及び保有感への働きかけ,②コメントシートへの記入,③授業冒頭でのコメント紹介という授業実践を行った結果,学生の興味価値,実践的利用価値,制度的利用価値の得点が有意に向上した.また,授業前後で課題価値の得点が著しく上昇した学生がコメントシートに記述する内容は回数を重ねることにより深化することが示唆された.以上より,教員養成教育において自己生成型の利用価値介入を取り入れた授業を行うことが,学生の授業に対する動機づけを高めるという点で有効であることが示唆された.