Japanese Journal of Endourology and Robotics
Online ISSN : 2436-875X
ロボット手術
当院におけるロボット支援下膀胱全摘除術 (RARC) +体腔内尿路変向術ICUD (回腸導管) の初期経験
錦見 俊徳山田 浩史水野 秀紀山内 裕士大橋 朋悦川喜田 睦司
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2022 年 35 巻 1 号 p. 133-142

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抄録

【はじめに】当院におけるロボット支援下膀胱全摘除術 (RARC) +体腔内尿路変向術 (ICUD) の初期経験を報告する. ICUDを行っている施設は多くないが, 当院では, RARC初回症例から尿路変向術はICUDで開始した.

【対象】当院でRARCを施行した14例のうち, 尿路変向術が尿管皮膚瘻となった1例を除く, ICUDで回腸導管造設術を施行した13例. 平均年齢 : 73.7歳. 男女比10 : 3.

【結果】総手術時間中央値536分, コンソール時間中央値445分. コンソール時間のうち, 郭清-膀胱遊離時間中央値212分, 回腸導管造設時間中央値183分. 出血量中央値150 mL, 2例で輸血が必要. 合併症は, Clavien-Dindo分類にて麻痺性イレウス : 2例 (I, IIIa), 深部静脈血栓症 (DVT) : 1例 (II), 尿路感染症 : 4例 (全てII) を認めた.

【結論】ICUDをRARC初回症例から導入可能であった. 一方で手術時間が長くなることや86歳の症例にDVTを認めており, 高齢者に対する適応は慎重に考慮すべき等, 今後の課題も挙げられた.

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© 2022 一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
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