2022 年 35 巻 1 号 p. 160-164
鳥取大学で施行したロボット支援副腎摘出術 (RA) の初期治療成績について検討した. 対象は2020年6月から8月までに片側の副腎腫瘍と診断され, 当院でRAを施行した3例で, 手術にはda Vinci Xiを使用し, 全例で経腹膜アプローチを選択した. 患者背景では, 平均年齢は51歳, 性別はいずれも男性, 原疾患はクッシング症候群, 褐色細胞腫, 原発性アルドステロン症がそれぞれ1例ずつ, 患側は右2例および左1例, 平均腫瘍径は20.7 mmであった. 手術成績では, 平均手術時間は110分, 平均コンソール時間は51分, 平均出血量は20 mLであった. 周術期合併症では, Clavien-Dindo分類のGrade 2以上の合併症は全例で認めなかった. 当院におけるRAの初期治療成績は, 諸家の報告と比較して遜色ない結果であった.