Japanese Journal of Endourology and Robotics
Online ISSN : 2436-875X
特集3 : hinotoriTM臨床について
実臨床での使用に際し理解しておくべきhinotoriTMの特性
古川 順也藤澤 正人
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キーワード: hinotori, robot-assisted surgery
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2024 年 37 巻 1 号 p. 50-54

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抄録

 本邦で開発された新規手術支援ロボットhinotoriサージカルシステム (hinotori) は, 2020年8月に薬事承認され, 2020年12月にhinotoriを用いた初のロボット支援根治的前立腺全摘術 (robot-assisted radical prostatectomy : RARP) が施行された. 2023年9月の時点で36台のhinotoriが本邦に導入され, 2,000例を超える種々の泌尿器科手術が施行されている. 現在までに多くの機器の改良が加えられ, 今後のさらなる普及と発展が期待される. hinotoriを用いた手術を開始する際に, 従来のダヴィンチ・サージカルシステム (DVSS) との構造および機能の相違を十分に理解し安全に導入することが重要である. これまでの経験から, 著者らの施設において施行したhinotoriを用いた種々の泌尿器科手術は, DVSSを用いた手術と同等の安全性と成績が確保されていると考えている. 今後, 泌尿器科手術の保険収載の拡大とさらなる新規ロボット手術支援システムの承認に伴い, ロボット支援手術の役割は益々拡大していくことが予想される. 多様な新規ロボットシステムの導入に際し, 各々の特性の十分な理解と適切なトレーニングが引き続き求められる. 本稿では, hinotoriの特性に焦点を当て, DVSSとの比較を含め, 実臨床での使用に際し理解すべきポイントを概説する.

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© 2024 一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
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