2022 年 2022 巻 2 号 p. 76-83
本研究の目的は,1)児童生徒の学校端末と私物端末の利用状況を調査する,2)学校端末と私物端末のそれぞれの利用状況の相関をはかるとともに,学校で行われている情報モラル教育がどのように関係しているのかを検討することであった.情報教育を先進的に取り組んできた公立A小学校1校と公立B中学校1校を研究協力校とし,小学4年生以上を対象とした質問紙調査を実施した.分析の結果,学校端末の利用時間,私物端末の利用時間,私物端末の保有時期・所有率などの利用状況や,小学生と中学生の学校端末と私物端末,及び,それらと情報モラル教育の関連が示された.それらから,小学生に対する情報モラル教育の内容として端末利用の規範意識の醸成が特に重要であること,中学生の学校端末と私物端末の利用の差は私物端末の利用割合に影響されていることの2つが考察された.