2022 年 2022 巻 2 号 p. 84-89
本研究では,自己決定理論に基づき,日常的に1人1台の情報端末(以下,PC)を活用している生徒を対象とし,中学校物理の個別実験において,PCを活用した協働学習前後の自律性の欲求・有能性の欲求・関係性の欲求の変化を明らかにし,個別実験におけるPCを活用した協働学習が内発的動機づけに与える影響を検討した.結果,自律性の欲求・有能性の欲求が向上し,「PCを活用した学習活動への内発的動機づけ」「物理授業への内発的動機づけ」「物理学習全般への内発的動機づけ」全てが高まる傾向が見られた.難易度の高い課題に取り組む際,クラウド環境におけるデータ共有によるPCを活用した協働学習が有用であることが示唆された.